アベノミクス5年目の2017年の日経平均株価は、年間としては6年連続の株高となりました。
昨年1月に就任したトランプ大統領の政策課題の実現性に懐疑的でしたが、アメリカは景気改善により年間を通じて株高となり、一方長期金利は低く抑制されており、為替も大きな変動もなく、「適温相場」での世界的な株高となりました。
ニューヨーク・ダウの年間騰落率は+25.1%となり、過去最高値を更新続けました。
こうした年に、伝統的な運用方法として、値動きが異なる4つの資産に分散して運用した場合、投資結果はどうなっていたのでしょうか。
試算してみました。
2017年1年間の各資産の騰落率は次の通りです。
・国内株式・・・ +22.2%(TOPIX 配当込み)
・国内債券・・・ + 0.2%(NOMURA-BPI総合指数)
・外国株式・・・ +18.4%(MSCI コクサイ・インデックス)
・外国債券・・・ + 4.7%(シティグループ世界国債インデックス)
これを4等分して1年間運用した場合、
・+11.4% まずまずです。
日本の債券市場は10年物の長期金利を「0%近辺に誘導」する政策を日銀が実施したため、金利の変動幅は0.1%程度となり、債券価格も大きく動きませんでした。
このため、低調な収益率ですが、安定しています。
海外株式は、日本を除く先進国の株式市場の平均値ですが、アメリカの株価上昇により2桁のプラス。
外国債券は、日本を除く先進国の債券価格の平均値ですが、先進国の長期金利は日本と同様に変動幅が小さく、債券価格の上昇も過去平均並みとなりました。
◆1998年~2017年までの20年間で、単年度の運用では、収益率がマイナスになったのは5回あります。
しかし、この4等分運用を10年間続けていたらどうであったのか、試算してみると、
1998年~2017年では、いずれの10年を見ても、マイナスになった10年間はありませんでした。
※10年間・・・1998~2007、1999~2008、・・・
10年間の累積収益率を1年間の平均で換算した収益率
(尚、このグラフの利回りには運用手数料は含まれていません。)
”長期投資”をしていれば、リーマン・ショックのような大暴落の年があっても、「元本割れ」をせずに済んでます。
※10年程度の運用をすれば、いつ投資を初めても、10年後にはプラスで終わっている、という意味です。
10年間の運用をした結果、開始した年によって異なりますが、1.1倍~1.8倍の成果が出ています。
平均すれば約1.4倍。
短期的な結果が求められるプロと違って、私たち個人は時間が味方してくれます。
時間を味方につけた分散投資は、景気の波を乗り越えることができます。
(と信じています)
◆しかし、リターンだけに目を奪われていてはだめで、リスクも見る必要があります。
※投資の世界ではリスクとは、平均に対し上振れしたり、下振れしたりする”ブレ”の事を指していて、「危険」と言う意味ではありません。
リスク・・・例えば20%のリスクであれば、1年間に約70%の確率で20%上昇したり、20%下落したりする可能性があることを示します。
70%の確率で、100万円が80万円になったり、120万円になったりする可能性があるということです。
下のグラフは、過去20年間の4資産の年平均リターンと、これに対応するリスクをグラフ化したものです。
日本株は「ハイリスク」・ミドルリターンとなっています。
”失われた20年”との言葉がありますが、まさにその通りです。
投資は、こうしたリスクを理解して運用するのがとても大切です。
下落しても許容できる範囲での運用が重要。
全ては自己責任です。
《注》上記データは過去のデータであり、将来の成果をお約束するものではありません。
またテータは全て諸費用控除前です。