物価は1年半ぶりに下落

FP鈴木

2009年05月06日 20:00



消費者物価指数が、値動きの激しい生鮮食料品を除き、1年半ぶりに前年対比でマイナスに転じました。

-0.1%。
昨年グングン上昇したガソリン価格は、今年は反動で-27%も下がったことが大きな要因です。

しかし、エネルギーや食料品を除いても-0.3%となり、こちらは3か月連続で前年割れ。
やはり、幅広く物価下落が広がっていると言えそうです。



しかし、前月対比で物価上昇率を見ると、前年対比とは逆に、今年の1月を底に、2月対比で物価が上昇に転じています。

+0.3%。
こちらの要因はガソリン価格と婦人服、乳製品の上昇によるものです。

ガソリン価格の動きを見てみると、今年に入ってじわじわ上昇しているのが分かります。



マスコミでは物価上昇率が、前年比でマイナスになったことを受けて、”デフレ”に陥るのではないかと懸念する声が上がっています。
しかし、前月対比ではプラスの上昇。

昨年は原油・食料品・光熱費が一気に上昇したため、今年は前年対比ではマイナスになるのは当たり前だと思います。

気をつけるべきは、前月対比の物価。
これが継続的にマイナスになると、デフレの危険性が高まります。

デフレは、物価が下落するため家計には助かりますが、
● 一方「まだ下がる」との思いが消費を遅らせることにもなり、
● 値下げ勝負を企業が続けることで、利益が出にくくなり、
● 結果として、賃金の引き下げにつながることもあります。

こうしたことでデフレになると、不況から脱出が遅くなる、と言われています。



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