1月の住宅着工数は8カ月連続の前年比減少

FP鈴木

2024年03月05日 08:30



国土交通省が2024年2月29日に発表した、2024年1月の全国新設住宅の着工数は58.8千戸となり、前年同月比では-7.6%、前月比では-9.0%と、前年比では8か月連続の減少となりました。

2023年年間では前年よりも-4.6%(持ち家-11.4%)となりました。
リーマンショック前の2007年からみると-25%(持ち家-29%)と深刻な状況で、コロナ前の2019年からは-9%(持ち家-22%)と復活していません。
 
◆1月の着工数の内訳を見てみると、
「持ち家」は2年2か月連続で前年比減少となり、-11.0%。

「賃貸」は6か月ぶりに前年比増加し、+2.7%。

「分譲住宅」は2カ月ぶりに前年比減少し、-16.1%。
分譲住宅のうち、マンションは2カ月ぶりの減少(-24.8%)となり、一戸建ては1年3カ月連続の減少(-6.7%)となりました。


★さて、静岡県の着工数は、
着工戸数が  1316戸  前年比-15.3%(4カ月連続の減少)
「持ち家」が 747   前年比+ 2.2%(12カ月ぶりの増加)

※この結果2023年年間では前年よりも-1.8%(持ち家-10.3%)となりました。
リーマンショック前の2007年からみると-48%(持ち家-42%)と深刻な状況で、コロナ前の2019年からは-12%(持ち家-25%)と復活していません。

◆住宅産業は、自動車と並んで”裾野”が広い産業です。
住宅産業が拡大すれば、日本経済も明るくなっていくと思います。

住宅を購入するときに気になるのは住宅購入価格と住宅ローン金利。
住宅価格については新型コロナ以降の物価高とウッドショックにより大幅に高くなり、

住宅ローン金利については、
その動きの基となるのは固定金利の場合は、国債の10年ものの長期金利ですが、こちらも上昇。
2022年1月末0.17% ⇒ 2024年1月末+0.72%。

これを受けて住宅ローンの固定金利も上昇し、
2022年2月の35年固定金利(フラット35)1.35%⇒2024年2月は1.82%まで上昇。

★2022年12月の金融政策決定会合で、10年もの国債金利の誘導目標を0.5%に上げたため、以降市場金利は0.5%を上限に継続し、物価上昇が続いたことに対応して長期金利の運用を柔軟化させるため、2023年7月の金融政策決定会合で10年もの国債金利の誘導目標を1.0%に上げ、更に10月には1%超えを一定程度容認しました。

2022年以降住宅ローンの固定金利は上昇が続いていますが過去に比べれば十分低く、変動金利については当面日銀の政策金利の変更はなさそうで低金利が継続しそうです。
また政府の住宅購入支援対策もありますので、住宅建築には良い時期だと思います。
※2024年4月末にはマイナス金利解除の予想が高まっています。

【住宅建築の特典】

◆住宅ローン減税
所得税・住民税の控除は建物の環境性能等で異なり、以下の通りです。
                  省エネ  ZEH  長期優良
2025年/12月迄入居は13年間合計 最大273万円、319万円、410万円

※夫婦のいずれかが40歳未満、または18歳未満の子供を持つ家庭ならば、2024年12月末まで入居で更に減税枠が拡大されます。

住宅建築に関わる贈与税の非課税枠拡大
基本・・・110万円までの贈与は無税
2026年/12月契約まで、500万円、省エネ等の優良住宅は1000万円、他500万円
※住宅新築・増改築の為に、両親、祖父母から贈与され、翌年の3/15までに上棟した場合。

◆フラット35の金利優遇
長期優良住宅かつZEHで、更に夫婦のいずれかが40歳未満で18歳未満の子供を持つ家庭に対し、最大1.0%を5年間優遇、その後5年間は0.25%優遇。     
参考:2024/2月 21年以上の金利1.82%→0.82%(1年目~5年目)→1.57(6年目~10年目)→1.82%(11年目~) 
3000万円を35年借りると10年間の優遇で190万円程度利息が軽減されます。


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