FPよもやまばなし

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政府系ファンドは救い手か?

先日の日経新聞に「政府系ファンド」について特集記事が掲載されていました。

政府系ファンドは、昨年サブプライムローン問題で欧米の金融機関が巨額損失を出した際、資本金の増資に応じてくれた、言わば「救い手」として有名になりました。

※政府系ファンド・・・各国の政府が余剰資金を積み立てた投資機関。日本でも設置を望む声が上がっています。

政府系ファンドは、アラブ産油国や、中国、シンガポールが主に知られていますが、総資産は何と2兆2000億ドル(220兆円)と言われています。

最大のファンドはUAE(アラブ首長国連邦)のアブダビ投資庁の6250億ドル(64兆円)。

この数年の原油価格の高騰により、ペルシャ湾岸の産油国には莫大のドルが流れ込みました。この余剰資金を世界中の市場に投資しています。

サウジアラビアの通貨庁総裁のコメントによると「分散投資で高利回りを狙うのが基本姿勢で、日本市場にも投資している。国際金融市場の安定と利益確保に注意している」とのこと。

こうした巨額のマネーが、どこに投資されるのかによって、その市場の動向も変わってきます。

オイルマネーを呼び込むため、最近では「イスラム法」に沿った会社で構成された株価指数や投資信託も出始めています。

※イスラム金融・・・イスラム法では「お金の貸借で金利をつけることは禁止」されています。
働くわけでもないのに、時間が経過するだけでお金が増えることは不当であるとされています。

ですので、イスラム国家では「金利」に替わる金融取引の概念があって、お金の貸借の間に「商品取引」「事業取引」をかませて、直接お金の貸借に見せない仕組みがあり、「利息」の代わりに「配当」をもらいます。

また、イスラム法でタブーとされる豚肉や酒などに関与しない事業に投資されます。

日本では、昨年12月より、東京証券取引所とアメリカの格付け会社S&Pが、イスラム投資家向けにイスラム法に準拠した日本の会社の株価を基本とした「日本株の指数」を開発し、配信を始めました。

この株式指数を活用した上場投資信託(ETF)などを開発し、オイルマネーを「救い手」として呼び込み、市場を活性化しようと目論んでいます。

ちなみに、この株価指数は79銘柄で構成され、具体的には、トヨタ自動車やJFEホールディングス、資生堂、大和ハウス工業にヤフーなどが入っていて、逆にイスラム法でタブーとされるものを扱う会社(ビール会社、ハム会社、金融機関など)は入っていません。

今後、この指数のETFが出たら投資してみるのもいいかもしれません。


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