バートン・マルキール著「ウォール街のランダムウォーカー」
井出正介訳
(日本経済新聞社刊、2300円)
先日記事にした「効率的な市場ではインデックス運用で」で紹介した、アメリカのプリンストン大学教授 バートン・マルキール教授の名著です。
初版が出たのが1973年で、それから5年ごとに改訂され、現在は2007年に発行された9版。
株式投資の手法として、テクニカル分析、ファンダメンタル分析など様々な投資法がありますが、マルキール教授はそうした投資法を否定しています。
株式式場は「ランダムに動き」、「市場は効率的である」ため、市場平均に追随するようなインデックス投資信託で、長期間運用するのが最良である、と説いています。
プロのファンドマネジャーの運用成績も、サルが当てずっぽうにウォールストリートジャーナルの相場欄にダーツを投げて選んだ銘柄のポートフォリオの成績も、大して差が出ないと言っています。
※ランダムウォーク・・・物事の過去の動きからは、将来の動きや方向性を予測することは不可能。
470ページの本ですが、株式投資を勉強してもうなくいかない人や、初めて投資する方には一読お勧めです。
サブプライムローンのバブルが弾けた2007年夏以降、世界的な不況の中でマルキール教授がどう考えたのか、是非 ”10版”を出してもらいたいと思います。