先日、11月14日の党首討論で野田さんが「16日に解散する」と発言した時点で、実質として民主党政権での経済運営は終了しました。
翌15日に自民党の安倍さんが大胆な金融緩和策を発表し、その日から為替は円安に向かい、株価は上昇しました。
これまでの民主党政権下では成し得なかった金融政策が自民党総裁から発表され、株式市場も為替市場も、"次なる政権"へ期待しました。
と言うことで、
2009年8月末に民主党が総選挙で大勝してから、3年3か月の民主党政権下での経済運営の結果を確認します。
まずは、株価、為替、長期金利(10年国債金利)です。
2009.8.31 2012.11.14 差異
◆日経平均株価 10,492円 8,664円 -1,828円
17.4%値下がり
◆ ド ル 93.0円 79.9円 -13.1円
14.1%円高
◆ユーロ 133.2円 101.7円 -31.5円
23.6%円高
◆10年国債金利 1.30% 0.78% -0.52ポイント
リーマンショックから1年半年が過ぎて、株価も戻りつつあった2010年春、突如ギリシャの財政問題が浮上し、これを端を発したユーロ危機により、再び世界の株式市場は下落。
そして相対的に安全な"円"に資金が向かい、大幅な円高となりました。
その後株価は戻ろうとしましたが、2011年3月の大震災によりまたもや下落。
そして、その年の夏にはアメリカにも財政問題が起こり、またも下落。
円高に対しては、何度も「為替介入」をしましたが、市場の波にのまれ、10日程度で元の水準に戻る状況が繰り返されました。
サプライズがあったのは、今年2月14日の日銀の思い切った金融緩和策。
これで、一気に円安に向かい、株価も上昇しましたが、この効果も1か月で息切れ。
欧米の金融・財政問題と地震に、大きく揺れた3年間となりました。
安倍さんの発言への、市場の反応は驚くべき状況です。
株価 11/14⇒11/26 8.4%上昇
過去のデータでは、衆議院解散から総選挙までは、次期政権への期待から株価は上昇しやすく、総選挙結果が出ると下がりやすい傾向があります。
今回の株価上昇と円安はどうなるでしょうか。
自民党政権となって、公約を実現できなければ、市場は失望売りに転じます。
いずれが政権を取るにしても、よほどのことをしていかないと、この上昇は維持できないと思います。
特に株価は、日銀の金融緩和による円安だけではなく、経済成長が基本となって上昇しますので、財政出動と経済政策がカギになります。