アメリカの主要な住宅価格指数「 S&P/ケース・シラー住宅価格指数 」によると、2014年4月の主要10都市平均の指数は、前年同月比+10.9%の上昇となりました。
主要20都市でも+10.8%の上昇。
前年比では、11都市が2桁上昇率を示し、中でもラスベガス、サンフランシスコは+18%を超え、過熱とも言える上昇が続いています。
前年比での上昇は23か月連続。
183.3ポイントの水準は、2008年4月以来の水準です。
一方、前月比では主要10都市は+1.02%、20都市では+1.15%と上昇。
2か月連続で前月比上昇となりました。
都市別では全20都市が前月比プラスとなりました。
グラフの通り、この半年程度は伸びが止まっていましたが、再び上昇を始めたようです。
米連邦準備理事会が金融緩和の縮小を打ち出していて、昨年は長期金利が上昇していたのですが、今年になって低下しつつあり、雇用改善もあって、緩やかですが住宅価格が再度上昇し始めたかもしれません。
また、住宅在庫は少なく差し押さえ物件も減少しているため、住宅価格の下支えとなっているようです。
一方で、
2014年5月の住宅着工件数は前年同月比で+9.4%。前月比は-6.5%。
戸数は、年率換算で100.1万戸の水準。2か月連続で100万戸超え。
また、この指標の先行指標となる住宅着工許可件数は、前年同月比で-1.9%。前月比は-6.4%。
戸数は、年率換算で99.1万戸の水準。
4か月ぶりに100万戸を割りましたが、前月が高水準だったため、その反動が出ているかもしれません。
住宅価格、着工件数等の住宅関連指標を見ていると、アメリカの住宅市場は昨年10月~11月に一旦ピークを迎え、今年になって寒波の影響もあってやや停滞、春から再び伸びましたが、初夏を迎えてまた停滞。
一進一退の状況です。
住宅市場の懸念は、景気回復に伴う、FRBの金融緩和の縮小。
これが「長期金利」の上昇を招き、住宅ローン金利の上昇となり、住宅建築の鈍化につながる恐れが出ています。
2013年5月以降、アメリカの長期金利は、金融緩和の出口が語られるようになってから上昇が続いていて、
5/1 : 1.63% ⇒ 9/5 : 2.97% と4か月で1.3%も上昇。
昨年12月にFRBが金融緩和の縮小を発表したため、12/31時点では3.03%。
今年に入り下がり始め、6/24時点では2.58%。
住宅市場がアメリカの景気を下支えしています。
2008年の世界的な不況の大元は、アメリカの住宅バブルの崩壊から始まりました。
今後も推移を見守りたいと思います