◆アメリカの主要な住宅価格指数「 S&P/ケース・シラー住宅価格指数 」によると、2015年6月の主要10都市平均の指数は、前年同月比+4.6%の上昇となりました。
主要20都市では+5.0%の上昇。概ね前月と同様の伸びです。
前年比での上昇は36ヶ月連続ですが、伸び率は12か月連続で1桁台となりました。
20都市を都市別にみていくと、前年比では、全都市がプラスとなり、中でもデンバーが10.2%と2桁台の上昇率となりました。
またサンフランシスコが9.5%と2桁に迫る伸びです。
195.9ポイントの水準は、2008年1月の196.1以来の水準です。
一方、前月比の伸び率では主要10都市は+0.9%、20都市では+1.0%と、前月並みよりやや低下の上昇率。
都市別では全20都市が前月比プラスとなりました。
グラフの通り、確実な伸びを示しています。
S&Pダウジョーンズ・インディシーズの担当者は、
「安定的な物価上昇を伴う失業率の低下やFRBの(ゼロ金利)政策の継続で、住宅価格は着実に伸びている」とコメント。
◆そして、住宅関連指標でもう一つ重要なのが、住宅着工数。
2015年7月の住宅着工件数は前年同月比で+10.1%。前月比では+0.2%。
戸数は、年率換算で120.6万戸。
4ヶ月連続で100万戸の水準を維持。この水準はなんと2007年10月以来、7年9カ月ぶりの高水準。
また、この指標の先行指標となる住宅着工許可件数は、前年同月比で+7.5%。前月比は-16.3%。
戸数は、年率換算で111.9万戸の水準。
23ヶ月連続で100万戸を超えです。
◆米連邦準備理事会が2014年10月に追加金融緩和の中止をしたものの、長期金利は低下していて、住宅ローンの金利も下がってきていました。
しかし、今年中にもFRBは政策金利を上げるとの予想も出ていて、景気も回復してきているため、2015年2月以降は長期金利は上昇しています。
これが「長期金利」の上昇を招き、住宅ローン金利の上昇となり、住宅建築の鈍化につながる恐れが出ています。
※10年国債金利
2014/10月末 2.3%
2015/ 1月末 1.7%
2015/ 8/26 2.1%
2008年の世界的な不況の大元は、アメリカの住宅バブルの崩壊から始まりました。
今後も推移を見守りたいと思います。