アベノミクス3年目の2015年の日経平均株価は、年間としては4年連続の株高となりました。
一方、世界的には夏場には中国の景気悪化の顕在化(チャイナショック)により世界的に株価は下落、そして秋以降はアメリカの利上げと、一層の原油安により株価が揺れました。
なかなか順調に株価が上昇する状況ではありませんでした。
景気としては調子が良かったのはアメリカのみですが、ニューヨーク・ダウの年間騰落率は-2.2%と、利上げの影響と原油安により、年間としては下落。
こうした年に、伝統的な運用方法として、値動きが異なる4つの資産に分散して運用した場合、投資結果はどうなっていたのでしょうか。
試算してみました。
2015年1年間の各資産の騰落率は次の通りです。
・国内株式・・・ +12.1%(TOPIX 配当込み)
・国内債券・・・ + 1.0%(NIKKO-BPI総合指数)
・海外株式・・・ - 1.5%(MSCI-kokusai指数 配当金再投資)
・海外債券・・・ - 3.3%(シティグループ世界国債インデックス)
これを4等分して1年間運用した場合、
・+2.1% いまひとつです。
日本の債券市場は金利が概ね下がったためめ、債券価格としてはプラスとなり、低調な収益率ですが、安定しています。
海外株式は、先進国の株式市場の平均値ですが、アメリカの株価が下った影響が出ています。
◆1996年~2015年までの20年間で、単年度の運用では、収益率がマイナスになったのは7回あります。
しかし、この4等分運用を10年間続けていたらどうであったのか、試算してみると、
1996年~2015年では、いずれの10年を見ても、マイナスになった10年間はありませんでした。
※10年間・・・1996~2005、1997~2006、・・・
10年間の累積収益率を1年間の平均で換算した収益率
(尚、このグラフの利回りには運用手数料は含まれていません。)
”長期投資”をしていれば、リーマン・ショックのような大暴落の年があっても、「元本割れ」をせずに済んでます。
短期的な結果が求められるプロと違って、私たち個人は時間が味方してくれます。
時間を味方につけた分散投資は、景気の波を乗り越えることができます。
(と信じています)
◆しかし、リターンだけに目を奪われていてはだめで、リスクも見る必要があります。
※投資の世界ではリスクとは、平均に対し上振れしたり、下振れしたりする”ブレ”の事を指していて、「危険」と言う意味ではありません。
リスク・・・例えば20%のリスクであれば、1年間に約70%の確率で20%上昇したり、20%下落したりする可能性があることを示します。
70%の確率で、100万円が80万円になったり、120万円になったりする可能性があるということです。
下のグラフは、過去20年間の4資産の年平均リターンと、これに対応するリスクをグラフ化したものですが、
日本株は「ハイリスク」・ローリターンとなっています。
”失われた20年”との言葉がありますが、まさにその通りです。
投資は、こうしたリスクを理解して運用するのがとても大切です。
下落しても許容できる範囲での運用が重要。
全ては自己責任です。
《注》上記データは過去のデータであり、将来の成果をお約束するものではありません。
またテータは全て諸費用控除前です。