◆アメリカの主要な住宅価格指数「 S&P/ケース・シラー住宅価格指数 」によると、2015年11月の主要10都市平均の指数は、前年同月比+5.3%の上昇となりました。
主要20都市では+5.8%の上昇。1年4ヶ月ぶりの高い伸びを示しました。
前年比での上昇は41ヶ月連続です。
20都市を都市別にみていくと、前年比では、全都市がプラスとなり、中でもデンバーとポートランド、サンフランシスコがと2桁台の上昇率となりました。
197.5ポイントの水準は、2008年1月の196.1以来の水準です。
一方、前月比の伸び率では主要10都市は+0.0%、20都市では+0.1%と、前月より上昇率はやや下がりました。
都市別では、15都市が前月比プラスとなりました。
総じてグラフの通り、堅調な伸びを示しています。
S&Pの担当者は「住宅ローン金利が低く、住宅供給が不足気味、そして雇用改善により住宅価格は値上がり」と指摘しています。
◆そして、住宅関連指標でもう一つ重要なのが、住宅着工数。
2015年12月の住宅着工件数は前年同月比で+6.4%。前月比では-2.5%。
戸数は、年率換算で114.9万戸。
9ヶ月連続で100万戸の水準を維持。
また、この指標の先行指標となる住宅着工許可件数は、前年同月比で+14.4%。前月比は-3.9%。
戸数は、年率換算で123.2万戸の水準。
28ヶ月連続で100万戸を超えです。
◆米連邦準備理事会はアメリカ経済の好調・・雇用、賃金の改善がまずまずの状況が続いてるため、2015年12月に「0金利政策」を停止し、9年半ぶりに政策金利を+0.25%上げました。
しかし、中国経済の鈍化、原油価格の低下を受けて、今後の利上げのペースは緩やかになるとの予測も出ていますので、まだ長期金利への影響は出ていません。
但し、FRBの金利政策によっては「長期金利」の上昇を招き、住宅ローン金利の上昇となり、住宅建築の鈍化につながる恐れが出ています。
※10年国債金利
2014/12月末 2.2%
2015/ 6月末 2.3%
2015/12月末 2.3%
2016/1/26 2.0%
2008年の世界的な不況の大元は、アメリカの住宅バブルの崩壊から始まりました。
今後も推移を見守りたいと思います。