◆アメリカの主要な住宅価格指数「S&P/ケース・シラー住宅価格指数」によると、2016年2月の主要10都市平均の指数は、前年同月比+4.6%の上昇となりました。
伸び率は前月よりも鈍化。
主要20都市では+5.4%の上昇。
前年比での上昇は44ヶ月連続です。
20都市を都市別にみていくと、前年比では、全都市がプラスとなり、中でもポートランド、シアトルが10%以上の上昇率となりました。
197.0ポイントの水準は、2008年1月の196.1以来の水準です。
一方、前月比の伸び率では主要10都市は+0.1%、20都市では+0.2%と、前月より上昇しました。
都市別では、14都市が前月比プラスとなりました。
総じてグラフの通り、住宅価格は"踊り場"を示しています。
S&Pの担当者は「住宅価格はインフレの倍のスピードで伸び続けているものの、上昇ペースは最近鈍化している」とコメントしています。
◆そして、住宅関連指標でもう一つ重要なのが、住宅着工数。
2016年3月の住宅着工件数は前年同月比で+14.2%。前月比では-8.8%。
戸数は、年率換算で108.9万戸。
12ヶ月連続で100万戸の水準を維持。
また、この指標の先行指標となる住宅着工許可件数は、前年同月比で+4.6%。前月比は-7.7%。
戸数は、年率換算で108.6万戸の水準。
31ヶ月連続で100万戸を超えです。
◆米連邦準備理事会はアメリカ経済の好調・・雇用、賃金の改善がまずまずの状況が続いてるため、2015年12月に「0金利政策」を停止し、9年半ぶりに政策金利を+0.25%上げました。
しかし、中国経済の鈍化、原油価格の低下、また日本のマイナス金利の導入を受けて、今後の利上げのペースは緩やかになるとの予測も出ていますので、まだ長期金利への影響は出ていません。
むしろ下っています。
但し、今後のFRBの金利政策によっては「長期金利」の上昇を招き、住宅ローン金利の上昇となり、住宅建築の鈍化につながる恐れが出ています。
※10年国債金利
2014/12月末 2.2%
2015/ 6月末 2.3%
2015/12月末 2.3%
2016/3/26 1.9%
2008年の世界的な不況の大元は、アメリカの住宅バブルの崩壊から始まりました。
今後も推移を見守りたいと思います。