◆アメリカの主要な住宅価格指数「S&P/ケース・シラー住宅価格指数」によると、2016年3月の主要10都市平均の指数は、前年同月比+4.7%の上昇となりました。
伸び率は前月よりも改善。
主要20都市では+5.4%の上昇。
前年比での上昇は45ヶ月連続です。
20都市を都市別にみていくと、前年比では、全都市がプラスとなり、中でもポートランド、シアトルが10%以上の上昇率となりました。
198.7ポイントの水準は、2008年1月の196.1以来の水準です。
一方、前月比の伸び率では主要10都市は+0.8%、20都市では+0.9%と、前月より上昇しました。
都市別でも全20都市が前月比プラスとなりました。
総じてグラフの通り、住宅価格は"踊り場"から上がり始めたように感じられます。
S&Pの担当者は「労働市場の改善、極めて低い水準の住宅ローン金利といった経済情勢が価格上昇の背景にあり、市場における住宅の供給不足も価格上昇の一因だ」とコメントしています。
◆そして、住宅関連指標でもう一つ重要なのが、住宅着工数。
2016年4月の住宅着工件数は前年同月比で-1.7%。前月比では+6.6%。
戸数は、年率換算で117.2万戸。
13ヶ月連続で100万戸の水準を維持。
またグラフにはありませんが、この指標の先行指標となる住宅着工許可件数は、前年同月比で-5.3%。前月比は+3.6%。
戸数は、年率換算で111.6万戸の水準。
32ヶ月連続で100万戸を超えです。
◆米連邦準備理事会はアメリカ経済の好調・・雇用、賃金の改善がまずまずの状況が続いてるため、2015年12月に「0金利政策」を停止し、9年半ぶりに政策金利を+0.25%上げました。
しかし、中国経済の鈍化、原油価格の低下、また4月以降の雇用改善幅の悪化を受けて、今後の利上げのペースは緩やかになるとの予測も出ていますので、まだ長期金利への影響は出ていません。
むしろ下っています。
但し、今後のFRBの金利政策によっては「長期金利」の上昇を招き、住宅ローン金利の上昇となり、住宅建築の鈍化につながる恐れが出ています。
※10年国債金利
2014/12月末 2.2%
2015/ 6月末 2.3%
2015/12月末 2.3%
2016/5/31 1.8%
2008年の世界的な不況の大元は、アメリカの住宅バブルの崩壊から始まりました。
今後も推移を見守りたいと思います。