◆代表的な長期固定の住宅ローン商品「フラット35」の2016年8月融資金利は7月より0.03ポイント下落。
0.90%(返済期間21年以上のもの)となりました。
20年以下のタイプは7月より0.02ポイント下落し、0.83%。
35年固定で0.90%!!
超長期の固定金利が1%を割リ、0.9%になるとは驚愕です。
◆長期金利の代表である「新発10年物国債利回り」は、アベノミクスの「次元の異なる金融緩和」により日銀が低く誘導。
日銀は物価2%上昇を目指していますが、思うように物価は上がらず、
2014年10月31日に「追加の金融緩和対策」を発表し、更に国債の買い入れを増やすことにし、2016年1月29日には史上初の「マイナス金利」の導入を発表したため、長期金利の低下を招いています。
フラット35の金利は、この長期国債の金利が反映されています。
◆下のグラフはアメリカと日本の長期金利の推移を示しています。
日本の金利は、アメリカの金利に沿う形で上下を繰り返すことが多く、2014年は日米ともに長期金利は低下しました。
2015年2月以降は景気回復と利上げ予想に反応して、日米の金利は上昇してきましたが、7月以降は中国リスクにより株価が軟調となり、金利も下落。
しかし、アメリカは2015年12月16日には9年半ぶりに利上げを決定し、アメリカの金利は上がってきました。
が、2016年に入り、中国経済の悪化、原油価格の下落を受けて株価が低迷、金利も下っていたところに、
2月16日から、日本銀行は「マイナス金利」を導入。
そして、イギリスのEU離脱問題で、リスク対策のため安全資産の国債が買われ、各国の金利は一気に低下。
7月末の金利は、10年もの国債の金利が「-0.20%」
◆下のグラフは、2004年以降の、「フラット35」における21年以上返済の場合の、最低金利の月別推移です。
過去は高くても3%程度でしたが、日銀の金融緩和の継続条件「物価が安定的に2%になるまで継続」を考慮すると、国債金利も当面上昇することもなさそうで、上昇するにしても抑制が効いた上昇になると思います。
第2次安倍政権が発足した以降、2013年~2016年の1年間の最高金利と最低金利の利幅は、0.3%程度。
日銀の金融緩和により、金利の変動幅が小さくなっています。
※金融緩和が終了すれば、国債金利は1.5%程度が妥当との話もありますので、現状よりも1.5%程度上昇・・・フラット35の金利も2.5%程度まで上昇する可能性があります。
◆今は、省エネルギー、耐震性、バリアフリー性など一定の基準を満たした住宅であれば、フラット35の金利が当初5年または10年間は「0.3%優遇」されます。
金利優遇の拡大制度が国会を通過すれば、8月融資実行であれば、0.90%の金利の金融機関ならば、何と最長10年間、0.60%で借りられます!
返済期間が20年以下ならば、0.53%が最長10年間固定!
今後の金利上昇リスクを避けるため、変動金利ではなくて固定金利を選択する方が多くなっていますが、フラット35の金利優遇タイプであれば、低金利で最長10年間固定されるし、その後の金利も決まっていますので、上昇するかもしれない一部期間の固定金利や変動金利に比べれば安心が得られます。
3000万円を35年間借りた場合、10年間0.3%優遇の効果は90万円!。
家計が助かりますね。
また贈与税の非課税枠の拡大が継続され、住宅ローン減税、住まい給付金制度もありますので、今は本当に住宅取得には良い環境です。