
◆代表的な長期固定の住宅ローン商品「フラット35」の2017年6月融資金利は5月金利から0.03ポイント上昇の1.09%(返済期間21年以上のタイプ)。
20年以下のタイプも4月より0.03ポイント上昇し、1.01%。
35年固定で1.09%、20年なら1.01%%!!
◆長期金利の代表である「新発10年物国債利回り」は、アベノミクスの「次元の異なる金融緩和」により日銀が低く誘導。
日銀は物価2%上昇を目指していますが、思うように物価は上がらず、
2014年10月に「追加の金融緩和対策」を発表し、更に国債の買い入れを増やすことにし、2016年2月には史上初の「マイナス金利」の導入したため、長期金利の低下を招いています。
そして、2016年9月には「10年もの国債の金利水準を0%程度」にするための国債買い入れ調整を行うと発表。
10月以降、日銀は金利の動きを見て国債の買い入れ量を増減させるためを、10月迄は-0.06%前後を推移してきましたが、11月のアメリカ大統領選挙でトランプさんが次期大統領に当選した以降、じりじり金利は上昇し、11月中旬にはプラスに転じました。
2017年に入り1月~5月は0.1%~0.01%付近で動いています。
フラット35の金利は、この長期国債の金利が反映されています。
◆下のグラフはアメリカと日本の長期金利の推移を示しています。

日本の金利はアメリカの金利に沿って動くことがままあります。
アメリカが2015年12月16日には9年半ぶりに利上げを決定し、一時金利は上がりましたが、
2016年に入り、中国経済の悪化、原油価格の下落を受けて株価が低迷、金利も下っていたところに、
2月から、日本銀行は「マイナス金利」を導入。
日本の長期金利はマイナスが継続してきましたが、アメリカのFRBから2016年中の利上げを匂わせる発言がたびたび報道されたため、7月以降は金利水準が上昇基調となり、
更に、前述したとおり11月のアメリカ大統領選以降は上昇してきています。
FRBは12月に2回目の利上げを実行し、2017年3月には3回目の利上げが決定し、今後も数回の利上げが予想されています。。
しかし、FRBが政策金利(短期金利)を上げても、長期金利は上昇せず、むしろ下降気味。
将来の、アメリカの経済成長の鈍化が反映されているとも言われています。
日本の長期金利は、4月は低下しましたが、5月は少し上昇。
この数か月は、アメリカと日本の長期金利の動きは連動していません。
◆下のグラフは、2004年以降の、「フラット35」における21年以上返済の場合の、最低金利の月別推移です。

2012年以前は高くても3%程度でしたが、日銀の金融緩和の継続条件「物価が安定的に2%になるまで継続」を考慮すると、国債金利も当面上昇することもなさそうで、上昇するにしても抑制が効いた上昇になると思います。
第2次安倍政権が発足した以降、2013年~2017年は、2%を超えた月が僅かで、また1年間の最高金利と最低金利の利幅は、0.3%程度。
日銀の金融緩和により、金利の変動幅が小さくなっています。
※金融緩和が終了すれば、国債金利は1.5%程度が妥当との話もありますので、現状よりも1.5%程度上昇・・・フラット35の金利も2.5%程度まで上昇する可能性があります。
◆今は、省エネルギー、耐震性、バリアフリー性など一定の基準を満たした住宅であれば、フラット35の金利が当初5年または10年間は「0.3%優遇」されます。
6月融資実行であれば、1.09%の金利は何と最長10年間、0.79%で借りられます!
返済期間が20年以下ならば、0.71%が最長10年間固定!
今後の金利上昇リスクを避けるため、フラット35の金利優遇タイプであれば、低金利で最長10年間固定されるし、その後の金利も決まっていますので、上昇するかもしれない一部期間の固定金利や変動金利に比べれば安心が得られます。
3000万円を35年間借りた場合、10年間0.3%優遇の効果は90万円!。
家計が助かりますね。
また贈与税の非課税枠の拡大が継続され、住宅ローン減税、住まい給付金制度もありますので、今は本当に住宅取得には良い環境です。