経済産業省が2018年12月28日に発表した、2018年11月の生産動態統計の自動車の国内生産台数(速報値)は、前年同期比+4.5%、前月比+0.8%の88.6万台となりました。
2か月連続の増加となりました。
内訳は、トラックやバスなどを除いた乗用車の生産台数では前年比+4.5%です。
日産、三菱が2桁増加となり、トヨタ、スバルはマイナスです。
◆一方輸出は、前年比-1.8%、前月比+0.9%の43.1万台。
アメリカ、アジア、南米向けが減少しました。
輸出は何と言っても、アメリカ向けが多く、全世界の内38%を占めます。
それだけに、トランプ大統領の追加関税などの貿易政策次第で、輸出状況も大きく変わります。(日本への高関税は当面回避:2018/9/26日米交渉結果)
輸出先 万台 前年比
アジア向け 5.9 -14.1%
内中国向け 1.9 -13.3%
中近東向け 3.7 + 2.5%
ヨーロッパ向け 7.5 + 8.0%
北米向け 17.4 - 8.4%
内アメリカ向け16.3 - 6.9%
中米向け 1.9 + 6.5%
南米向け 0.9 -10.0%
アフリカ向け 1.0 +32.7%
大洋州向け 4.6 +23.1%
※アメリカ自動車市場では、景気回復とともに乗用車が前年比減少している一方で、小型トラックが増加しており、アメリカ向け輸出の多くが乗用車の日本にも、輸出に影響が出ています。
※GMが2018/11/26に発表した工場閉鎖も、セダン・コンパクトカーが中心の工場です。
◆販売台数の11月のブランド別の台数と前年対比は以下の通り。
(乗用車、トラック、バスの合計)
出典:日本自動車販売協会連合会 2018/12/6発表
万台 前年比
・トヨタ 13.3 + 4.8%
・レクサス 0.4 -27.2%
・ダイハツ 5.5 + 5.9%
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・スズキ 5.9 +13.9%
・スバル 1.2 - 0.1%
・マツダ 1.8 +37.2%
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・日産 4.6 +31.4%
・三菱 0.8 + 7.5%
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・ホンダ 6.4 + 5.7%
※スバルは完成検査、燃費・排ガスデータ不正問題で、2017年11月以降12か月連続の減少。
日産は大幅増加していますが、前年は検査不備による出荷停止をしていたことによる増加。
※2019年10月の消費税増税による消費落ち込み対策として、自動車取得税の廃止、毎年の自動車税を最大4500円低減。一方、燃費課税の新設。
自動車産業はすそ野が広い産業です。
日本の景気を見ていく上でも、チェック