アメリカの投資会社ブラックストーン・グループの副会長のバイロン・ウィーンさんが、毎年恒例の”びっくり10大予想”を発表しました。
バイロンさんは、毎年はじめに、「一般的には実現可能性は1/3未満と低いとみられているが、バイロンさんは1/2以上の確率で起こるだろう」と予想される「10の出来事」を発表しています。
◆2018年の結果は大外れでしたが、過去には的中率が高いため注目度も高く、ウォール街の風物詩になっています。
【2019年 びっくり10大予想】
1.FRBは利上げ停止。10年国債利回りは3.5%に達せず。
2.S&P500は15%上昇。
3.2021年より前の景気後退入りはない模様。景気拡大は継続。
4.アメリカの株式市場は改善し、金は1000ドルまで下落。
5.新興国の企業収益改善により、上海株式は25%上昇。ブラジル株も生き返る。
6.3月までにイギリスはEU離脱せず。メイ首相続投。2度目の国民投票でEU残留決定。
7.1年を通して、ドル相場は2018年末水準で安定。
8.トランプ大統領の側近は起訴されても、大統領の直接関与の証拠は見つからず。
9.アメリカ議会では通商政策が成果を上げる。オバマケアの重要部分は維持。2020年のインフラ整備実施が発表。
10.アメリカ株式市場はテクノロジー株、バイオテック株が引き続き主導。
◆一方、1年前に予想された2018年のびっくり10大予想を見直してみると、当たったのは0、一部当たったのが5つ、外したのは5つでした。
【2018年 びっくり10大予想】
1.中国は北朝鮮の核保有を容認しないと決定。北朝鮮への石油と食料の輸出を停止。
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米北会談で、核の凍結と開発中止には至りましたが、中国の態度はあいまい継続。
2.イギリスの次期首相はジェレミー・コービン氏に。イギリスのEU離脱は逆にEUに良い結果をもたらす。
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メイ首相は変わらず、EU離脱も合意できず。
3.ドル高となり、1ドル120円、1ユーロ1.1ドルへ。
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ドル高ではあったが114.5円、1ユーロ1.12ドル
4.アメリカの株価指数S&P500は、一時10%下落も、年末には3000台へ。
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年末2506。10月の高値からクリスマスイブの安値までの下落幅は20%に。
5.世界的な経済成長と、途上国の需要増で、原油価格指数WTIは1バレル80ドルへ。
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10月の高値は77ドルで、以降下落。
6.アメリカの平均時給は前年比+4%に迫り、消費者物価は+3%を超える。
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時給は+3%超え、物価は+2%超え。
7.インフレ加速により、アメリカのFRBは年4回の利上げを行い、10年国債利回りは4%ヘ。
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年4回利上げは的中。国債利回りは10月に3%を超えたものの、その後低下。
8.トランプ大統領の罵りにも関わらず、NAFTAとイラン核合意は存続。TPP離脱は失敗と考え始める。
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NAFTAは新協定で存続。核合意もアメリカ離脱のまま存続。TPP離脱は変わらず。
9.11月のアメリカ中間選挙で共和党敗退。
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下院は民主党、上院は共和党勝利。
10.中国は信用問題から企業の借入れに制限。経済成長鈍化によりGDP+5.5%に低下。
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6.5%までの低下にとどまる。