FPよもやまばなし

浜松近郊で活動するファイナンシャル・プランナーFP鈴木が、世の中のお金にまつわることや、趣味の映画、山歩き、写真について、書き綴っています。

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5月の35年固定の住宅ローン金利はやや上昇

5月の35年固定の住宅ローン金利はやや上昇

◆代表的な長期固定の住宅ローン商品「フラット35」の2019年5月融資金利は、前月より0.02ポイント上昇し1.29%(返済期間21年以上のタイプ)

20年以下のタイプも前月よりも0.02ポイント上昇し、1.23%
      
団信保険料込みで、35年固定で1.29%、20年固定なら1.23%。きわめて低い金利が継続しています。

※フラット35に付随する団体信用生命保険の保障内容は、
一般金融機関の団信保障内容が「死亡・高度障害」時に支払いですが、フラット35は「死亡・身体障害(身障者手帳2級以上)」時に支払いとなっているため、一般金融機関の団信よりも保障範囲が拡大されています。

※健康状態が厳しいため団体信用生命保険に加入できない場合、基準金利より0.2%低い金利で融資を受けられます。

◆長期金利の代表である「新発10年物国債利回り」は、アベノミクスの「次元の異なる金融緩和」により日銀が低く誘導。

日銀は物価2%上昇を目指していますが、思うように物価は上がらず、
2014年10月に「追加の金融緩和対策」を発表し、更に国債の買い入れを増やすことにし、2016年2月には史上初の「マイナス金利」を導入したため長期金利の低下を招いています。

そして、2016年9月には「10年もの国債の金利水準を0%程度」にするための国債買い入れ調整を行うと発表。

10月以降、日銀は金利の動きを見て国債の買い入れ量を増減させるため、10月迄は-0.06%前後を推移してきましたが、11月のアメリカ大統領選挙でトランプさんが次期大統領に当選した以降、じりじり金利は上昇し、11月中旬にはプラスに転じました。

2017年は年間を通じて、0.1%~-0.01%付近で落ち着いた動きを見せ、2018年も7月迄は同様な動きとなりました。

しかし、2018年7月末に日銀が「長期金利の水準は0%を目標とするが、+-0.2%程度の動きを容認」と発表し、今までより更に0.1%上昇を容認したため、8月からは0.1%台を推移し、10月上旬には1.5%台に到達したものの、
10月後半から下落し、アメリカの金利低下に沿うように、11月下旬から0.1%を切り、世界的な景気悪化懸念から長期金利は低下を続けています

2019年2月から長期金利はマイナスが継続しています。

フラット35の金利は、この長期国債の金利が反映されています。

◆下のグラフはアメリカと日本の長期金利の推移を示しています。

5月の35年固定の住宅ローン金利はやや上昇

日本の金利はアメリカの金利に沿って動くことがあります。

アメリカが2015年12月16日には9年半ぶりに利上げを決定し、一時金利は上がりましたが、
2016年に入り、中国経済の悪化、原油価格の下落を受けて株価が低迷、金利も下っていたところに、日本銀行は2月から「マイナス金利」を導入。

日本の長期金利はマイナスが継続してきましたが、アメリカのFRBから2016年中の利上げを匂わせる発言がたびたび報道されたため、7月以降は金利水準が上昇基調となり、更に、11月のアメリカ大統領選以降は一時上昇しました。

FRBは12月に2回目の利上げを実行し、2017年には計3回の利上げ、そして2018年は4回の利上げが実行され、合計9回分で2.25%上がりました。

しかし、FRBが政策金利(短期金利)を上げても、長期金利は上昇スピードは緩慢です
日米欧の先進国の中で、2%を超えているのはアメリカのみで、利回りを求めアメリカの国債が買われ、金利の上昇を抑える動きがあります。
また物価の上昇が緩慢なことも、長期金利の上昇抑制に影響しています。

更に、2018年夏以降のアメリカの貿易問題による景気悪化懸念で、金利上昇が抑制されてきましたが、10月に入り急上昇し、3.2%台にのせました。
2011年4月以来の高い水準となりましたが、FRBの利上げ回数の減少予想、世界的な景気後退予想により、11月中旬以降低下し、12月末は2.69%。
2019年は1月~2月は2.7%を挟んでの動きとなりましたが、3月下旬にFRBが2019年は利上げを停止する決定をしたため金利が低下し、4月末は2.51%。

一方、日本の2017年の長期金利は、8月~9月上旬は北朝鮮リスクで一時-0.01%まで下落したものの、0.05%前後で動きました。
2018年も7月迄は同様の動きですが、8月以降は0.1%台の動きとなったものの、11月下旬に低下し始め4か月ぶりに0.1%を切り、年末はついに1年3か月ぶりに再びマイナスとなりました
2019年1月は0%を挟んだ動きでしたが、2月以降はマイナスを継続しています。

マイナス金利導入以降、日本の金利が強力にコントロールされているため、アメリカと日本の長期金利の動きは単純な連動ではなくなっています。

◆下のグラフは、2004年以降の、「フラット35」における21年以上返済の場合の、最低金利の月別推移です。

5月の35年固定の住宅ローン金利はやや上昇

2012年以前は高くても3%程度でしたが、日銀の金融緩和の継続条件「物価が安定的に2%になるまで継続」を考慮すると、国債金利も当面大きく上昇することもなさそうで、上昇するにしても抑制が効いた上昇になると思います。

第2次安倍政権が発足した以降、2013年~2016年は、2%を超えた月が僅かで、また1年間の最高金利と最低金利の利幅は、0.34%程度。

特に、2017年以降は長期金利の変動幅が0.1%以下のため、フラット35の金利変動幅は僅かに0.07%と低くなっています。(団体信用生命保険料の上乗せ分0.28%を除く)

※金融緩和が終了すれば、国債金利は1.5%程度が妥当との話もありますので、現状よりも1.5%程度上昇・・・フラット35の金利も3%程度まで上昇する可能性があります。

◆今年は、省エネルギー、耐震性、バリアフリー性など一定の基準を満たした住宅であれば、フラット35の金利が当初5年または10年間は「0.25%優遇」されます。

5月融資実行であれば、1.29%の金利は何と最長10年間、1.04%で借りられます!

返済期間が20年以下ならば、0.98%が最長10年間固定!

今後の金利上昇リスクを避けるため、フラット35の金利優遇タイプであれば、低金利で最長10年間固定されるし、その後の金利も決まっていますので、上昇するかもしれない一部期間の固定金利や変動金利に比べれば安心が得られます。

3000万円を35年間借りた場合、10年間0.25%優遇の効果は約70万円!。
家計が助かりますね。

2019年10月には消費税の増税が予定されていますが、一方で対策として、贈与税の非課税枠が拡大継続され、住宅ローン減税の期間延長、住まい給付金制度、次世代住宅ホイント制度もありますので、今は金利も低く本当に住宅取得には良い環境です。



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