経済産業省が2022年8月31日に発表した、2022年7月の生産動態統計の自動車の国内生産台数(速報値)は、前年比-4.3%、前月比+4.6%の69.9万台となり、前年比では12カ月連続の減少となりました。
内訳は、トラックやバスなどを除いた乗用車の生産台数では前年比-4.3%、前月比+4.7%で、12か月連続の前年比減少の58.6万台となりました。
※2021年年間では、新型コロナの緊急事態宣言による生産停止があった2020年よりも2.7%減少(乗用車-4.9%)となり、リーマンショクの2009年よりも減少。
2020年は新型コロナの影響で国内外ともに4月以降需要が減りましたが、6月から徐々に生産は回復。10月には前年比で増加に転じましたが続かず、2021年からは半導体調達のひっ迫により一部メーカーによる生産調整が起きてます。
7月は半導体調達問題が継続し部品供給不足等でトヨタなど一部では生産調整があり、トヨタ、ダイハツ、ホンダが前年比減少したことで全体でも生産数が前年比減少しました。
◆国内生産台数と前年対比は以下の通り。
(乗用車、トラック、バスの合計)
出典:各メーカーホームページより 2022/8/30発表
万台 前年比
・トヨタ 22.2 -28.2%(含むレクサス)
・ダイハツ 7.0 -14.4%
・スバル 6.0 +25.7%
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・スズキ 7.9 +19.8%
・マツダ 7.0 +25.6%
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・日産 5.2 +39.1%
・三菱 4.3 +57.7%
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・ホンダ 6.1 - 2.7%
◆一方輸出は、前年比-14.5%、前月比+15.7%の35.7万台。
輸出はアメリカ向けが多く全世界の内34%を占めますので、半導体の調達状況とアメリカの景気が影響します。
出典:日本自動車工業会 2022/8/31発表
輸出先 万台 前年比
アジア向け 6.6 + 8.9%
内中国向け 2.8 - 0.3%
中近東向け 3.7 + 9.5%
ヨーロッパ向け 5.3 +14.5%
北米向け 13.4 -12.2%
内アメリカ向け12.1 -14.1%
中米向け 1.3 +24.7%
南米向け 0.7 -18.8%
アフリカ向け 0.9 -14.3%
大洋州向け 3.6 -28.8%
◆7月の販売台数のブランド別台数と前年対比は以下の通り。
生産数と同様にトヨタ、ダイハツ、ホンダ以外が前年比増加。
(乗用車、トラック、バスの合計)
出典:日本自動車販売協会連合会 2022/8/4発表
万台 前年比
・トヨタ 10.1 -25.4%
・レクサス 0.3 -23.9%
・ダイハツ 4.7 - 5.7%
・スバル 1.1 +34.8%
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・スズキ 4.7 +10.0%
・マツダ 1.5 +31.5%
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・日産 4.1 +23.2%
・三菱 0.8 +70.4%
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・ホンダ 5.0 - 4.0%
半導体・部品調達状況についてはまだ懸念が続きます。
自動車産業はすそ野が広い産業です。
日本の景気を見ていく上でも、チェック。