FPよもやまばなし

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毎月分配型(債券)投資信託の注意点

毎月分配型の投資信託がこの何年かの人気商品となっています。

人気の理由として、「毎月安定した分配金が出る」と言うのがあります。

定年退職されて、定期的な収入がなくなった方にとって、毎月年金のように分配金が出るのは、生活を安定させるには強い味方にもなります。

ただ、問題もあって、このタイプ、特に債券で運用する投資信託の注意点について今日は書きます。

1.毎月分配金が出ると、投信の基準価格は上がりにくい。

  ・運用して得られた収益の一部を投資家に毎月分配していますので、価格は上昇しにくくなります。

2.運用している銘柄から得られる収益以上に分配していると、投信の価格は下がることもある。

  ・”安定”した分配金を出すために、”身を削って”実力以上に分配しているものもあります。

3.基準価格のグラフは、分配後の実際に売買される価格のグラフと、分配金込みの価格のグラフの2種類を確認する。

  ・ときおり、分配金込みの価格のグラフだけが表示されていて、”いかにも”順調に価格が上昇しているように見える場合があります。
  ・しかし実際の売買価格は、分配後の基準価格です。こちらのグラフで順調に増えていれば”まずは安心”できます。

投資信託を購入するときは、「分配金の方針」にも目を配ってください。
(方針例)
 運用する債券から得られるインカムゲイン(利息)の範囲内で分配します。

⇒この方針ならば実力以上に分配することはありませんので、”まずは安心”です。

気の利いた投信のレポートには「基準価格の変動要因」が書かれています。
(記載例)
 債券要因・・・インカムゲイン、キャピタルゲイン(債券価格の変動による損益)
 為替変動要因(外国債券の場合は為替レートで価格が変動)
 信託報酬(運用会社等に支払い管理費)
 分配金

⇒このように記載されていれば、無理な分配をしているかどうかが分かります。

また、債券投資信託ならば、「平均(クーポン)利回り」がレポートに書かれています。

過去1年間の分配金合計を基準価格で割れば、投資家にとってのインカムレート(利息の利回り)が計算できます。
この利回りと、レポートに記載されている平均利回りを比較し、平均利回り以内のインカムレートであれば、無理な分配はしていないと判断できます。

大切なお金を投資して、毎月分配金をもらって安心していても、「実は身を削っていて、さっぱり基準価格は上がらない」こともあります。

毎月分配型の(債券)投資信託への投資の際には十分確認の上で投資しましょう。

特に働いている方は、毎月給料が入ってくるわけですから、毎月の分配金が必要な状況はそんなに多くないと思います。
(生活費の足しにしたいという方もいるかもしれませんが)

定年前であれば、分配金はせいぜい年1回程度で、そのまま再投資に回すようなタイプの投資信託を選び、老後資金に備えた方が良いと思います。
   


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毎月分配型(債券)投資信託の注意点