代表的な長期固定の住宅ローン商品「フラット35」の10月融資金利は、前月比-0.01ポイントの1.93%(返済期間21年以上のもの)となりました。
35年固定で、1.93%。過去に比べればまだまだ低い水準です。
20年以下のものは、前月比-0.02ポイントの、1.61%。
長期金利の代表である「新発10年物国債利回り」は、アベノミクスの「次元の異なる金融緩和」により、金融緩和策発表前よりも上昇したものの、このところ0.7%を下回るレベルで推移しています。
景気が良くなり、物価が上昇しつつありますので、長期金利が上昇するのは当然ですが、一方で、日銀の大量買入れにより金利上昇を抑えている構図です。
更に直近では、消費税率UPによる財政改善の期待もあって、金利の低下が一層進み、10月2日時点で0.64%と5月以来の水準まで低下しました。
フラット35の金利は、この長期国債の金利が反映されています。
下のグラフはアメリカと日本の長期金利の推移を示していますが、
日本の金利は、アメリカの金利に沿う形で上下を繰り返すことが多く、
今年前半まではアメリカの景気回復に伴って、金融緩和の縮小予想が国債金利を上昇させ、これに沿って日本の国債金利も上昇してきていました。
しかし、この3か月程度は日本国債の金利がうまく抑制され、アメリカの金利だけが上昇しています。
下のグラフは、2004年以降の、「フラット35」における21年以上返済の場合の、最低金利の月別推移です。
過去は高くても3%程度でしたが、日銀の金融緩和の継続条件「物価が2%になるまで継続」を考慮すると、国債金利もぐんぐん上昇することもなさそうで、上昇するにしても抑制が効いた上昇になると思います。
今は、省エネルギー、耐震性、バリアフリー性など一定の基準を満たした住宅であれば、フラット35の金利が当初5年または10年間は「0.3%優遇」されます。
(来年の3/31迄の申し込み:更に1年間延長が検討されています)
10月融資実行であれば、1.93%の金利の金融機関ならば、何と10年間、1.63%で借りられます!
返済期間が20年以下ならば、1.31%が10年間固定!
今後の金利上昇リスクを避けるため、変動金利ではなくて固定金利を選択する方が多くなっていますが、フラット35の金利優遇タイプであれば、低金利で10年間固定されるし、その後の金利も決まっていますので、上昇するかもしれない一部期間の固定金利や変動金利に比べれば安心が得られます。
3000万円を35年間借りた場合、10年間0.3%優遇の効果は90万円!。 家計が助かりますね。
また贈与税の非課税枠の拡大や住宅ローン減税もありますので、今は本当に住宅取得には良い環境です。