FPよもやまばなし

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5月の長期金利はやや上昇

5月の長期金利はやや上昇

2017年5月末の、長期金利の代表である「新発10年物国債利回り」は、0.04%。
前月末より0.02ポイント上昇。

5月1か月間の動きとしては、0.04%を挟んでの狭い動きをしていました。
しかし、アメリカ金利は中旬以降は下落を続けています。

今年に入り、アメリカの金利は下落傾向ですが、日本の長期金利は日銀がコントロールしているため落ち着いています。

5か月間の変動幅としては、日本は0.1%~0.005%、アメリカは2.6%~2.2%。

◆長期金利はアベノミクスの「次元の異なる金融緩和」により日銀が低く誘導。

日銀は物価2%上昇を目指していますが、思うように物価は上がらず、
2014年10月31日に「追加の金融緩和対策」を発表し、更に国債の買い入れを増やすことにしたため、長期金利の低下を招きました。

日本の金利は、アメリカの金利に沿う形で上下を繰り返すことが多く、2014年は日米ともに長期金利は低下しました。

2015年2月以降は景気回復と利上げ予想に反応して、日米の金利は上昇してきましたが、7月以降は中国リスクにより株価が軟調となり、金利も下落

しかし、2015年12月16日ついに9年半ぶりにアメリカは利上げを実行

日本は強力な金融緩和を実施してきましたが、中国経済の悪化と、原油価格の下落継続で、物価上昇2%の達成時期も遅れが出てきたため、日本銀行は史上初の「マイナス金利」の2016年2月に導入

10年ものの国債金利でさえもマイナスとなり、6月にはイギリスのEU離脱ショックで、安全資産の国債が買われ、マイナス幅が拡大し-0.2%台後半まで下がりました。

しかし、9月の日銀の金融政策会議で「10年もの国債の金利水準は、0%程度を目標」としたため、10月に入ってからの長期金利は-0.06%前後で推移しました。

ところが、11月のアメリカ大統領選挙でトランプさんが次期大統領に当選し、経済政策として巨額のインフラ投資を実施すると発表し、その資金源として国債の発行が予想されたため、アメリカの長期金利は一気に上昇しました。
日本の長期金利もこれに沿って上昇し、プラスに転換。

更に、アメリカの金融当局は2016年12月に2回目の利上げを実行。
また、引き続き雇用環境が好調なため、2017年3月に3回目の利上げ。
更に、この6月も利上げ予想がされています。

アメリカの景気改善が力強いことでFRBは政策金利の利上げをしてきていますが、長期金利はなぜか低下。
将来のアメリカの経済成長率の鈍化が反映されているとも言われています。

尚、日本の10年もの長期金利は、日銀が0%程度に誘導する政策を引き続きとっていく予定です。


◆この長期金利を、もっと長いスパンで過去から見てみると・・・

5月の長期金利はやや上昇

2000年からの年末の長期金利の推移ですが、高金利通貨の代表でもあるオーストラリア、そしてアメリカも2014年は金利が低下。
日本は2014年金融緩和を更に強力に進めたため更に下落。

そして2015年は各国ともに前半は上昇に転じたものの、夏以降は一転下落し、アメリカとオーストラリアは秋以降再上昇。日本のみ下落。

2016年は夏までは中国経済の不透明、原油価格下落、イギリスのEU離脱、そして日本ではマイナス金利の導入で低下してきましたが、前述のとおり、トランプさんへの経済政策への期待から金利は上昇。

2017年はアメリカはトランプ大統領の政策と、北朝鮮リスク、FRBの利上げで動きが変わります。
日本は日銀の強力なコントロールが続けば微動。


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