財務省が毎年発表している、国の「連結財務書類」。
2019年度版が2021年3月30日に発表されました。
国の予算は一般会計と特別会計がありますが、このグラフはこれに「独立行政法人」のデータも加算した合計です。
2020年3月末の国の財産状況を示すのは、会社で言う「貸借対照表(バランスシート)」に当ります。
財務省のホームページでデータを見てもイメージがつかめなかったので、グラフ化したのですが、会社で言えば「瀕死」の状態にあります。
なんと「債務超過」が523兆円!!
◆前年比19兆円悪化しています。
その理由は、国債が19兆円も増えているからです。
増え続ける社会保障費(年金や医療、介護等)や国債の利払い費が増大する一方で、収入である税収だけでは補え切れていません。
(※2020年3月末時点では、新型コロナ対策の国債増発はされていません)
◆一般的に、債務超過に陥った会社は長くはもちません。
銀行などの貸す側が、「危険な会社」として資金の融通をしなくなるからです。
しかし、日本は長らく債務超過のままで生きています。
なぜならば、国債を発行すれば、買ってくれる人(銀行、保険会社、年金基金など・・・実態は日本銀行が金融機関から買い上げています)がいるからです。
資金繰りさえ続けば、何とかやっていけるのは会社も同じですが、
国の場合は「日本」と言う国の、将来の信頼性・発展性にかかっていますので、政府の舵取りは重要です。
社会保障費の増大を受け、2014年4月から消費税が増税されました。
しかし、その後2回の消費税増税延期をしたため、国債発行は思うようには減りませんでしたが、2019年10月に再増税。
2014年からは大企業を中心に会社業績が上向き、雇用状況が改善し、賃金も上昇しましたので、法人税、所得税収も増えてきましたが、2019年度は伸びが止まり、2020年度は新型コロナの影響で大きく減収。
※一般会計税収予算・・・
2013年度47兆円⇒2014年度54兆円⇒2015年度56兆円
2016年度55兆円⇒2017年度58兆円⇒2018年度60兆円
2019年度60兆円⇒2020年度推定55兆円
(2019年度は消費税増税が無ければ、前年比減収となります)