2008.6.7 川根「蕎麦粒山」 1627M
地元の袋井市山梨地区で古くから伝わる雪形「三本槍」の真相解明のため、近所の和菓子屋「辻本」さんの呼びかけで、仲間の皆さんと7人で川根奥の「蕎麦粒山」に行きました。
この雪形は山梨から北東の方向に見え、「遠い山に雪が積もった後、山肌の雪が消えた後に見える残雪」が”三本の槍”の形に見えるため”三本槍”と地元で言われています。
私自身は、この雪形の言い伝えは知らなかったのですが、私の父をはじめ地元に古くから住む方は、「この雪形”三本槍”は雪が降るとはっきりと見えるが、どこの山なのか分からない」謎の山とされてきました。
実際に、この雪形を探すために山に入っても、その存在が見つからず、今まで分からなかったのです。
一方で辻本さんは、自宅から見える山々を写真に撮り、「自宅から見える山を特定する」作業を以前から続けており、この雪形がどの山に現れるのか特定するのに苦労されていました。
(天気が晴れて、空気が澄んでいないと、遠い山は見えないため、写真には滅多に写らない)
しかし、辻本さんは苦労の末、今年5月遂に謎の雪形”三本槍”の山を特定しました。
その山が、川根の奥にある山 「蕎麦粒山」で、謎の雪形”三本槍”は、蕎麦粒山の南面にある”大崩壊地”であることを突き止めたのです。
三本槍のように見える雪形は、大崩壊地がたまたま三本の槍のような形をしており、そこに雪が積もると、周囲の山肌の雪は解けても、崩壊地の雪は解けにくいため、遠くから見ると"三本槍の雪形"として見えることが分かったのです。
そして昨日、辻本さんの呼びかけで、6人が集まり、謎の山に出かけたわけです。
新緑がまだまぶしいブナ・カエデなどの樹々の中、鳥のさえずりを聞きながら、蕎麦粒山の頂上へ。
(空気が澄み渡っていれば、富士山も見えたはず・・・残念)
そして、頂上を後に"大崩壊地"を探すために、登山道を南に下りはじめました。
しばらく下って、登山道から目をそらすと"崩壊地"がちらちら見えてきたのです。
登山道から熊笹を分け入り、眼前には"巨大な崩壊地"が。
念願かなって"三本槍"の謎が解き明かされました。
蕎麦粒山の登山口は、「山犬の段」というところで、標高1404M。
そこまでは来るまで入れます。
山犬の段 より 登り35分程度で山頂へ。
山頂から10分程度下ると、大崩壊地がありますが、登山道からは見えにくい場所です。
山梨から見える山々を、ほぼ全て特定しているんです。
頭が下がります。
それにしても、この崩壊はどうして起きるのでしょうか。富士山の大沢崩れみたいなことなのでしょうか。ちょっと怖いですが、実際に見たらきっと圧倒されるスケールなのでしょうね。
素敵な趣味ですね。
by ina
でもロマンです。