2025年4月の日経平均株価は
月間では今年初の上昇となりました。
2025年4月の株価は上旬に発表された
トランプ大統領の想定以上の関税政策発表により世界的に株価は大幅に下げ、
日経平均株価は7日に前日比-2,644円の31,136円まで下落、しかし翌日には+1,876円の33,012円まで上げるという、昨年8月上旬と似たような動きを示しました。
その後
株価が下がり、アメリカの国債が売られ、ドルが売られる、という”トリプル安”が起きると、トランプ大統領は関税政策についても「一時猶予」といった方向転換が報道され、株価については徐々に上昇し、月末には36,000円台で終了。
4月末の日経平均株価は36,045円、前月比+1.2%、+428円
ニューヨークダウ:40,669ドル、前月比-3.2%、-1,332ドル
日本株は今年に入ってり3カ月連続で月間下落し、4月にようやく少し上昇。
しかし
3月までの大幅下落により、昨年末よりも-3,849円(-10%)の状況です。
ニューヨークダウは昨年末比-1,875ドル(-4%)で、アメリカ発の経済混乱ですが、アメリカの株価よりも日本株への影響の方が大きくなっています。
昨年は新NISA開始、半導体株の上昇に1月から3か月連続で上昇しました。
当時は「もしトラ」なんて言葉が流行り、まだトランプ大統領が誕生する可能性が低いと見られていましたが、その後「確トラ」となり「実トラ」となり、1年前に想定された事態(1期目のトランプ関税政策の再来)が現実となりました。
日本とアメリカでの関税政策協議の行方が今後の世界各国との協議の行方の試金石となる可能性もあり、世界経済への影響に注目されます。
ドル為替レートは4月末142.9円。前月比4.7%の円高。
4月はアメリカの長期金利は上旬に一旦下落し、その後債券が売られ金利は上昇したものの、その後徐々に低下。日本の長期についてもアメリカの動きの沿った動きとなりました。こうした日米の金利の動きの違いによる金利差縮小と
アメリカのFRB議長解任検討騒動によるドル売りにより、一気に円高となりました。
1か月間の変動率(高値÷安値)は、
株価は17.1%、為替は7.6%、株価は大きく動き、為替はやや動きました。
2012年12月に第2次安倍政権が誕生し、「3本の矢:アベノミクス」への期待から、株価は上昇、円安に。菅政権、岸田政権、石破政権へと移行し、12年3か月経ちました。
日経平均株価は
2012年11月14日の”野田元総理の解散宣言”から+316.0%。
◆2024年1月以降の動き
2024年に入り
円安となり、新NISAが始まり、外国人投資家の買いが入ったことで1月はぐっと上昇。2月は
半導体関連株、商社株を中心に上昇し史上最高値を更新し、3月はついに40,000円台へ。
4月,5月は38,000円台を推移しましたが、6月以降円安が進み
7月11日には過去最高値の42,224円を付けたものの、7月末に日銀が利上げし、8月は円高が進み株価は下落し38,000円台へ、9月以降は38,000円~39,000円台で推移。
2025年は年初に一時40,000円台を付ける場面もありましたが、トランプ大統領の関税政策、中国の低価格AI半導体の発表により半導体株が下がり、1月は39,500円台で終了。2月は円高の進展とトランプ大統領の追加関税により37,000円台で終了し、3月も更に関税政策が発表され35,000円台へ。
◆2万円の大台に乗ったのが2015年4月22日。
2015年6月24日には、2000年4月の「ITバブル」の高値を超え、20,868円を付けました。
2017年は春以降は世界的な景気回復により株価が上昇し、2万円台の大台復帰を果たし、
2018年1月と、9月に24,000円台を回復したものの、世界的な景気後退懸念で下落。2019年は2万円台から再スタートし12月には24,000円台を再度回復。
2020年は
新型コロナが経済に大きな影響を与え株価は3月に大幅下落しましたが、アメリカ大統領選挙結果とワクチン開発進展により、一気に株高となり1991年2月末の26,409円を越えました。
2021年は30年ぶりに3万円台を回復したものの、
2022年は新型コロナ感染拡大、アメリカ利上げ、ウクライナ侵攻、世界的な物価高による景気悪化懸念により年間では4年ぶりに下落し26,000円台に低迷。
2023年は3月に欧米で銀行破綻が相次ぎ一時26,600円台に下落。4月にアメリカの著名な投資家
ウォーレン・バフェットが日本商社株の買い増したことをきっかけに海外投資家からの資金流入が増え、6月には33,700円台まで上昇。その後は30,000円~33,000円台で推移。
◆以下のグラフは1999年以降の月末における米ドル、ユーロ、オーストラリアドルの推移を示したものです。
1999年から2025年4月迄の約26年間の米ドルの平均は111円。
2025年4月末の米ドルは143円ですので、平均から見れば29%の大幅な円安水準。
※為替で注意すべきは、その変動幅。月間では数%の変動であっても、
長期で見るといずれの通貨も平均値対比で、±30%程度の振れがあります。
◆日本株投資の6割は外国人投資家が占めているため、日本株は外国人投資家の売買動向に左右されます。
2023年は3兆4900億円の買い越し。2024年は2700億円の買い越し。
2025年は4月第3週まで1兆1400億円の売り越し。
日本企業の強さが本物であることが認められなければ海外投資家の買い越しは続きません。
為替に沿って動く日本株は、外国人投資家に振り回される状況が続きます。
そして、
ドル建てベースで日経平均株価が上がっていかないと、海外投資家の儲けは出ません。
2020年は新型ウイルスの影響を挽回し、円高もあって+22.6%。2021年は2月に過去最高値273$に迫る272$を付けましたが、円安進展により-6.0%。2022年は円安と株価下落により-20.4%。
2023年は海外投資家の日本株見直しで+19.0%。2024年は+7.2%、2025年は4月末で-0.8%
★2025年は日米の政策金利の行方が懸念され、アメリカ大統領の関税政策と景気減速懸念などがあります。
今後は、
IT投資の加速、事業拠点の分散化をし、円安に頼らず、構造改革を具体化し、生産性を上げて、成長分野への投資、新規事業やビジネスモデルを創出して、強い日本になっていく必要があります。