2024年第2四半期GDPは2期ぶりのプラス成長

FP鈴木

2024年08月15日 12:07


内閣府が2024年8月15日に発表した2024年第2四半期(4月~6月)の実質国内総生産(GDP)は、年率換算で前期比+3.1%の増加となり、2四半期ぶりにプラス成長となりました。

★日本の第2四半期のプラス成長の主な要因は、個人消費と住宅着工、設備投資の増加です。
一方で、アメリカは8期連続のプラス成長となりました。

年率換算で内訳を見てみると・・・
( )内は前期の値
・輸出 + 5.9%(-17.2%)
・輸入 + 7.1%(-9.6%)
 一部自動車メーカーの生産再開による輸出増
  
・公共投資 +13.1%(-4.3%)
 4期ぶりにプラス。

・政府支出 +0.8%(+1.1%)
 2期連続のプラス。
  
・個人消費 +4.1%(-2.3%)
 ※個人消費は、GDPの53%を占めます。
  賃上げにより消費増加、5期ぶりにプラス。

・住宅着工 + 6.7%(-10.1%)
 賃貸物件の増加により、4期ぶりのプラス。
    
・企業の設備投資 + 3.6%(-1.8%)
 2期ぶりにプラス。
  
政府は20243年7月25日発表の月例経済報告で「景気は、このところ足踏みもみられるが、緩やかに回復している 」としています。

◆ところで、GDP成長率は一般的には「実質」で評価されますが、こちらは物価の影響を取り除いたもので、生活感覚に近いのは「名目」です。

2024年第2四半期は実質年率+3.1%ですが、名目では+7.4%。

この物価の影響のことを、「GDPデフレーター」といいます。
このデータは割と重要で、「デフレ」が続いているかどうかを見る目安にもなっています。

2018年  0.0%
2019年+0.6%(消費税増税の影響第4四半期あり)
2020年+0.9%(消費税増税の影響第1~3四半期あり)
2021年-0.2%
2022年+0.4%
2023年+3.8%

2019年、20年と僅かにプラスですが、消費税増税が影響。
物価が上昇していた2022年でも+0.4%。輸入物価の上昇はマイナスに寄与するためです。
2023年は物価上昇が大きく響きました。(輸入物価は前年よりも下落)


景気の状況を半年~1年程度早く映し出すといわれる株価は、2019年は米中貿易摩擦が激化により株価は低迷しましたが、秋に一部合意し上昇。
しかし、2020年は新型コロナの影響で3月に大きく株価は下落したものの、株価は回復し前年比2桁上昇。

2021年は第1四半期、第3四半期に一時3万円台を付けたことが何度かありましたが、感染拡大するとGDPは減り株価も下がり、激しい動きを見せました。
2022年はウクライナ侵攻、物価高など世界的に経済活動への懸念材料が増え、株価も低迷しました。

2023年は4月のウォーレン・バフェットによる日本株買い増し、見直し発言により外国人投資家の買いが増え、上昇。またアメリカの利下げ早期化期待で秋以降上昇。
アメリカの物価高の落ち着き具合で金利政策が変わりますが、2024年以降は次第に物価上昇率が低下してきたため、FRBの利下げ期待が膨らみ円安が進行し、またアメリカ半導体IT株の上昇により日経平均株価が上昇しています。



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