1月の長期金利は14年ぶりに1.2%台へ上昇

FP鈴木

2025年02月02日 08:30


2025年1月末の、長期金利の代表である「新発10年物国債利回り」は、1.24%。
前月末よりも0.16ポイントの上昇。

14年ぶりに1.2%台を付けました。

★2024年1月以降の動き
2024年は1月下旬から日銀の政策金利の0金利解除の思惑から上昇し下旬には0.7%台へ。
3月に日銀は「マイナス金利の解除と長期金利の誘導目標の撤廃」を発表したもののその後はむしろ金利は低下。5月は日銀の国債買い入れ減少観測から12年6か月ぶりに1%の大台に。7月末に日銀が「長期国債の買い入れを減額する」との発表をし、1%台を継続。
ところが8月上旬にアメリカの政策金利の大幅利下げ観測、株価下落によりアメリカの長期金利が下がり、これに沿って日本の長期金利も下落。8月上旬には0.75%を付けました。その後やや戻り9月,10月は0.9%前後の動きとなりました。
11月はアメリカ大統領選挙でトランプさんが当選し、財政出動を伴う政策発表により国債増発が予想されアメリカの長期金利が上昇し、これに連動して日本の長期金利も上昇し、4カ月ぶりに1%台へ。2024年末は1.09%で終了

◆日本の長期金利は2013年の安倍政権以降「次元の異なる金融緩和」により日銀が低く誘導してきましたが、2024年3月に「普通の金融政策」=政策金利のコントロールに転換。
”賃金と物価の好循環を確認し、今後も2%の物価安定の目標が持続的・安定的に実現していく”とみられたため、17年ぶりの利上げ(マイナス金利の解除=政策金利は0%~0.1%)と長短金利操作(長期金利の誘導)を撤廃しました。
更に7月末には+0.25%の利上げを実施。2006年以来の18年ぶりの利上げとなり、更に2025年1月に+0.25%の利上げをしました。

★短期的には為替は金利差によって敏感に動きます。
長期金利差に対して動いたり、短期金利差に対して動いたり時々によって異なります。
日本が金融緩和策を撤廃し、日銀は2024年7月、2025年1月に利上げしたものの、まだ低金利に抑えている一方で、アメリカは物価状況で機動的に金利を上下させていて、2024年9月に利下げが決定。その後11月、12月も追加利下げしました。こうした金融政策の違いが金利差を生みます。

◆アメリカの2024年1月以降の長期金利の動き
2024年は1月~3月はFRBの政策金利の動きの様子見から4.0~4.3%の動き。4月中旬発表の消費者物価の上昇が止まらないことが分かり、FRBの利下げが遠のいたとの観測から金利は上昇し4.6%台へ。5月~8月は物価の上昇が抑制されていることから長期金利は低下傾向。9月も同様で3.7%前後を推移。
しかし10月に入り景気が堅調な経済指標がいくつか発表され上昇傾向。11月は大統領選でトランプさんが当選し、財政出動を伴う新政策発言から国債発行増加が予想され4.4%台へ上昇したものの、下旬に財政規律が予想されるスタッフ登用発表により4.1%へ低下。
12月は今後の政策金利の利下げ回数が減るとの予想から長期金利は上昇し、2024年末は4.5%台で終了。

◆アメリカのFRBは2020年に新型コロナの景気への影響から、政策金利は2015年12月以来の0%にしましたが、経済活動再開による需要急増、賃金上昇等により物価高騰が続き、0金利政策から転換し、2022年には+4.25%に到達。更に2023年は4回利上げし、+5.25%。22年ぶり高水準となりました。
しかし、物価上昇が落ち着いたとを確認し、2024年9月に-0.5%、11月,12月に各-0.25%の利下げを決定し政策金利は4.25%。

◆この長期金利を、もっと長いスパンで過去から見てみると・・・

高金利通貨の代名詞でもあったオーストラリアの金利は2014年以降大きく低下し、米豪の金利差は縮小し、2018年に入りアメリカの金利が上回る珍しい現象が起きました。

2020年はコロナウイルスの影響で、アメリカ、オーストラリアはともに1%割れとなり、日本との金利差が縮小してきましたが、コロナショック以降は米豪とも上昇しながら似たような動きとなっています。

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