
2024年8月の日経平均株価は月間の値幅が7,625円となり過去最大。
8月の株価は7月末の日銀の利上げ発表とアメリカFRBの利下げ示唆により8月5日には1日の値下げ幅としては過去最大の-4,451円を記録、しかしその翌日6日には+3,217円の過去最大の値上げ幅を記録、大荒れの月となりました。
※値下げ幅、値上げ幅は過去最大ですが、値下げ率は-12.4%で2位(1位はブラックマンデー1987年10月8日の-14.9%)、値上げ率は+10.2%で4位(1位はリーマンショック2008年10月14日+14.1%)
8月末の日経平均株価は38,647円。前月比-1.2%、-454円
※ニューヨークダウ:41,563ドル(過去最高値)、前月比+1.8%、+721ドル
ニューヨークダウと日経平均株価の動きは比較的似た動きをしますが、2023年以降は日本株が強い。
2023年年1月から20か月間の月間の上昇幅は日経平均株価が+48.1%、+12,553円
一方のニューヨークダウは+26.4%、+8,684ドル
しかし、今年7月の高値から8月末までの騰落率を見てみると、かなり異なる様相
●日経平均株価
7月高値 7月11日42,224円
8月安値 8月 5日31,458円 下落率-25.5% -10,766円
8月末終値 38,647円 上昇率+22.8% + 7,189円
●ニューヨークダウ
7月高値 7月17日41,198ドル
8月安値 8月 5日38,703ドル 下落率-6.0% -2,495ドル
8月末終値 41,563ドル 上昇率+7.4% +2,860ドル
為替レートとアメリカ半導体IT株に翻弄される日経平均に対し、ニューヨークダウは騰落率(リスク)が低い上に利下げ期待で過去最高値を更新。
ドル為替レートは8月末146.1円。前月比2.5%の円高
7月末の日銀の利上げ発表とアメリカFRBの利下げ示唆により、8月5日には一時141円台まで急激な円高となりましたが、やや落ち着き145円前後を推移しました。
1か月間の変動率(高値÷安値)は、株価は24.5%、為替は6.5%、株価は激震し、為替も動きました。
2012年12月に第2次安倍政権が誕生し、「3本の矢:アベノミクス」への期待から、株価は上昇、円安に。菅政権、岸田政権へと移行し、11年8か月経ちました。
日経平均株価は2012年11月14日の”野田元総理の解散宣言”から+346.1%。
◆2023年からの動き
2023年は2月にアメリカの物価上昇が収まらず27,500円前後の動きとなったところに、3月には欧米で銀行破綻が相次ぎ一時26,600円台に下落しました。その後金融不安が後退し月末に28,000円台を回復。
4月にアメリカの著名な投資家ウォーレン・バフェットが日本商社株の買い増したことをきっかけに海外投資家からの資金流入が増え、6月には33,700円台まで上昇。7月、8月はアメリカの金利上昇と中国の景気減速懸念から下落し、更に9月、40月も下落。
11月はアメリカの物価上昇の落ち着きにより株価は一気に上昇したものの、12月は僅かに下落。
2024年に入り円安となり、新NISAが始まり、外国人投資家の買いが入ったことで1月はぐっと上昇。2月は半導体関連株、商社株を中心に上昇し史上最高値を更新し、3月はついに4万円台へ。
4月5月は38,000円台を推移しましたが、6月以降円安が進み7月11日には過去最高値の42,224円を付けました。

◆2万円の大台に乗ったのが2015年4月22日。
2015年6月24日には、2000年4月の「ITバブル」の高値を超え、20,868円を付けました。
2016年はイギリスのEU離脱ショックや、アメリカ大統領選の混迷から、株価は15,000円台に下落することもあり、低迷。しかし、11月にはトランプ新大統領への期待から、円安・株高へ。
2017年は春以降は世界的な景気回復により株価が上昇し、2万円台の大台復帰を果たし、2018年1月と、9月に24,000円台を回復したものの、世界的な景気後退懸念で下落。2019年は2万円台から再スタートし12月には24,000円台を再度回復。
2020年は新型コロナが経済に大きな影響を与え株価は3月に大幅下落しましたが、アメリカ大統領選挙結果とワクチン開発進展により、一気に株高となり1991年2月末の26,409円を越えました。
2021年は30年ぶりに3万円台を回復したものの、
2022年は新型コロナ感染拡大、アメリカ利上げ、ウクライナ侵攻、世界的な物価高による景気悪化懸念により年間では4年ぶりに下落し26,000円台に低迷。
◆以下のグラフは1999年以降の月末における米ドル、ユーロ、オーストラリアドルの推移を示したものです。

1999年から2024年8月迄の約25年間の米ドルの平均は110円。
2024年8月末の米ドルは146円ですので、平均から見れば33%の大幅な円安水準。
※為替で注意すべきは、その変動幅。月間では数%の変動であっても、長期で見るといずれの通貨も平均値対比で、±30%程度の振れがあります。
◆日本株投資の6割は外国人投資家が占めているため、日本株は外国人投資家の売買動向に左右されます。

2022年は1兆8700億円の売り越し。2023年は3兆4900億円の買い越し。
2024年は8月第3週までに3兆6800億円の買い越し
日本企業の強さが本物であることが認められなければ海外投資家の買い越しは続きません。
為替に沿って動く日本株は、外国人投資家に振り回される状況が続きます。
そして、ドル建てベースで日経平均株価が上がっていかないと、海外投資家の儲けは出ません。

2020年は新型ウイルスの影響を挽回し、円高もあって+22.6%。2021年は2月に過去最高値273$に迫る272$を付けましたが、円安進展により-6.0%。2022年は円安と株価下落により-20.4%。
2023年は海外投資家の日本株見直しで+19.0%。2024年は8月までに+11.4%
★2024年はアメリカの利下げと更に日銀の追加利上げが予想され、中国景気減速懸念、アメリカ大統領選などがあります。
今後は、コロナ災厄を教訓に、IT投資の加速、事業拠点の分散化をし、円安に頼らず、構造改革を具体化し、生産性を上げて、成長分野への投資、新規事業やビジネスモデルを創出して、強い日本になっていく必要があります。