2023年度の私立大学(自宅外通学)の初年度教育費
東京私大教連(東京地区私立大学教職員組合連合会)が、2023年4月に入学した新入生の教育費用のアンケート結果を、2024年4月5日に公表しました。
東京地区の私立大学13大学の新入生の父母へのアンケート調査で、3905件の回答結果です。11大学には医学部、薬科大が含まれています。
◆受験から入学までの
平均入学費用は230万円で、前年よりも1.8%増えました。
◆親の
仕送りが82.5万円(4月~12月)で、前年と同水準です。(年間では109.3万円と推定されます。)
◆アパート代は月7.0万で前年比3.6%増加。
6月以降の平均仕送り額は8.9万円で、アパート代を引くと、生活費には1.9万円しか回せれません。
1日平均はたったの653円!!
◆そのため、学生のアルバイトや、奨学金、あるいは教育ローンに頼らざるをえません。
◆
私立大学通学生の奨学金の受給率は約56%で、自宅外通学する子供のために
親が入学費用のために教育ローンを借りたのは12%で平均223万円と、7年連続で200万円を超えました。
仕送りも含めた入学初年度の費用が年収占める比率は33%もあり、家計への負担がとても重いため、高校授業料の無償化政策のように、
大学進学にも「直接助成制度」の制定が望まれています。
私事ですが、既に社会人となった3人の子供は全員東京の私立大学に進学しましたので、進学費用の負担の重さは十分実感しています。
◆国は2020年度から、
住民税非課税世帯と、それに準ずる世帯(概ね年収380万円以下)で、
一定の学業成績以上の学生に対し、授業料、入学金の減免制度を開始し、更に2024年度から
子供3人以上の多子世帯または私立理工農系であれば世帯年収600万円未満の学生には一部助成をすることになりました。また2018年度からは返済不要の"給付型奨学金"を始めました。
しかし、対象者や自宅外通学者の学費や仕送り費用から見れば不十分。
「理工農系」に限らず、国公立と私立の授業料格差を是正するべく、年収制限を上げて対象世帯を増やす一方で、学業成績の条件も厳しくすることで、
学業が優秀であれば給付金を受けられるような制度にしてもらいたいと思います。
親世帯は住宅ローンに加え教育ローンで生活が困窮し、
子世帯は奨学金返済が重いため、結婚して住宅を買いたくても二の足を踏む方もいます。
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