2024年4月の待機児童数は減少、”隠れ待機児童”は増加

FP鈴木

2024年09月08日 08:30


こども家庭庁が2024年8月30日に発表した、2024年4月1日時点の保育所等の待機児童は、7年連続で減少しました。
これまでに待機児童の定義が何回か変更されている為、単純比較はできませんが、1994年の調査開始以来最少となりました。

しかし、”隠れ待機児童”は2年連続で増加
※”隠れ待機児童”とは・・・入園申し込みしたものの、保育園に預けられない児童の内、下記理由に該当する児童
・特定の保育園希望(自宅や駅近く、兄弟同じ保育園等の希望の保育園に入園できない)
・育休中(入園したら復職:入園できないので育休延長)
・地方単独条件施設入園(地方自治体が一定の基準で支援を行っている施設)
・求職活動停止(保護者が求職活動を止めた)
 
        2024年   2023年    差
待機児童     2,567人    2,680人  -  113人  -4.2%
隠れ待機児童 71,032人  66,168人  +4,864人 +7.3%

隠れ待機児童の内、”特定の保育園希望”が4.0万人いて57%を占めます。
また”育休中”が1.9万人で28%。共働き、育休利用の増加により6年連続で増加しています。


出生数は2016年以降100万人を割り込み、減少が続いています。一方で保育施設を拡充したため、待機児童は一気に減りました。
またこの数年は新型コロナの感染防止のため、預けることをためらっている方もいました。

        2024年   2023年    差 
保育施設定員  304.5万人 305.1万人  -0.6万人
施設利用者数  270.5万人 271.7万人  -1.2万人
※定員よりも利用者数が少ないので、数字上では“保育全入“時代となっています。

◆待機児童の年齢別内訳では、

・0歳児   ・・・6.3%
・1歳~2歳児・・・84.8%
・3歳以上児 ・・・8.9%

2歳児以下が、約9割。

また、地域別では、
・7都府県、政令都市、中核市 ・・・60.8%
・その他           ・・・39.2%
※7都府県・・・東京、千葉、埼玉、神奈川、大阪、京都、兵庫

大都市圏が6割。
都市部の、3歳未満の子供を預かる施設の充実が最大の課題。

◆一方、静岡県の2024年4月1日時点の保育所等の待機児童は、前年比では11名待機児童が増加し、16名。静岡市に8人、島田市に8人います。
        2024年  2023年   差
待機児童       16人     5人  +11人 
隠れ待機児童  2,146人  1,956人 +190人

隠れ待機児童の内、”特定の保育園希望”が1,180人いて55%を占め、”育休延長”が271人で13%。
 

関連記事